新報おきなわ
越来グスク 国指定名勝に追加 文化庁調査官講演
「名勝地の保護と越来グスク」 平澤毅氏 |
越来グスクが6月21日に『名勝』に追加されたことを広く周知しようと9月15日、沖縄市民会館で沖縄市郷土博物館主催『国指定名勝「アマミクヌムイ」追加指定決定記念講演会』が開かれ、多くの市民が聴講しました。
名桜大学大学院の波照間永吉教授は、『中山世鑑』(1650年)には記されていない伝承が『おもろさうし』(1531年)で謡われており、第2巻全46首はアマミキヨが造ったであろう『越来グスク』を表すものと、歌詞から詳しく解説しました。
続いて、文化庁の調査官 平澤毅氏が登壇。史跡名勝天然記念物の保護が1925年に制定されてから今年で『100年』。文化財保護法の変遷や目的、全国・沖縄の名勝を紹介し、その基準と越来グスクを名勝に追加した理由を説明しました。
「越来グスクは自然的名勝です。鑑賞上から風致景観・名所・歴史的な場所、拝みなどが行われている名所として重要な意味があり、私たち(主体)がその場に立った時の特別な思い、価値があります。これからは地域の人々と交流しながら将来に向けて進めて行く、人々の思い(拝みや行事)が続いていく事が『保護の目的』です。元文化庁の青柳さんの言葉に『生きていく目的は思い出を分かち合う事』と説明しています」とプロジェクターを使い解説。
質疑応答で、「名勝は古い時代を残して行かなければならないと考えがちですが、これからの活動を取り入れて『新しい活動』『継続的な活動』にしていく事を考えるのが大事だと思います」と丁寧に回答していました。
会場から拍手がわき分かりやすい講演に誰もが笑顔で納得していました。
沖縄市 比嘉良憲教育長 開会のあいさつ |
沖縄市郷土博物館 文化財係長 縄田雅重さん「越来グスクの概要」発掘調査などを含む説明 |
波照間永吉教授 しまくとぅばであいさつ |
教授に質問 教授ファンの真栄田さん |
勉強に訪れた聴講者 |
沖縄市郷土博物館 松元司館長 終わりのあいさつ |
文化庁文化財第二課 主任文化財調査官平澤毅氏 城前自治会 新里賢一会長(城前公民館館長) |
8月21日城前公民館 縄田さんの説明会に集まった関係者(写真提供:城前公民館) |